2024.03.26 余さんへ

手紙余さんへ,手紙

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お手紙をいただきました

https://note.com/yo_04/n/nb34d2b1094d6?sub_rt=share_pb

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余さんへ

あー確かに言いましたね。あんまり深く考えずの発言でしたが、確かに私のなかだと小説の次に自由になんでもできるのが詩という感じです。小説と詩に明確な違いはありませんが。詩が無意識や感覚の部分に語りかけ働きかけるものであるかどうかも怪しいものです。

「あなた」の捉え方にも色々あるんですね。鳥の群れの話につながってくるわけですか。わかったようなわからんようなという感じです。

私も口先では「万人に開かれたい」と綺麗事を言っていますが、無理だろと思っています。コミュニケーションの一形態でもあるわけで、向こうに能動的な意思がないと無理だと思います。できることはこちら側のドアを閉ざさないでいつづけることくらいしか思いつきません。現に開いていても伝わらないのですから。同時に、受動的に口開けて待ってるだけのやつに自分を消費させてたまるかとも思います。こんなことを考えているようでは商業でやっていくとか修羅の道になってしまいますが、いずれにせよ私はお客さんが嫌いです。しかし、受動的に口を開けて待っていることしかできない人もやむを得ずそうなっている場合もあるということで、以前その態度について傲慢だと言われたことも思い出します。人間のリソースは限られているのでどこに力を使うかは本人次第ですからね。私は、誰しもが創作をできると思っていて、それが傲慢であるということだそうです。おそらくそこには、「私の創作を見るのであればそれなりの創造的な応答ができるんだろうな」という傲慢さも言外に含まれるのでしょうと思います。私も自身を傲慢だと思います。実際問題、創作している人のなかでもピンキリなわけですし、創作しようとも思わない人が大多数なわけですし、創造的な応答を求めるということは、要求の水準が高いことなのだろうなと思います。何が創造的な応答であるか、ということも本人の解釈に委ねられていますしね。その辺もまたおそらくピュアに似ているところで、すぐ人に合否を出してしまう傲慢かつ冷徹な側面があるのだと思います。あとは、「自分のことを正しく見てほしい、誰か一人でもいいから」ということですね。おそらく私は小魚を舐めている。しかし小魚を舐めないようにする方法がわからないのだと思います。読者と向き合うということがどういうことなのか、それは自分のなかでもけっこう大きな課題だなと感じます。

故郷喪失の件と胎界主webオンリーの件で忙しくなってきました。本当は、3月は文芸誌の公募に出そうと思っていたのに、自主制作誌のほうに力を入れてしまいました。公募はまた来年あるので良いですが、とはいえ来年なんですよねと思います。プロになりたいと言う割にそのへんの割り切りが下手だなあと思います。故郷喪失は今やっとかないといけないことであるというのはその通りだと思うのですが。クラウドファンディングを4月中にできたらいいなと思って、一昨日はそれにかかりきりでした。反響が全く読めず怖いです。うーん、怖いですね……。それと、あとがきに代わる論考を、と思って書き進めているのですが、私は論考書くのが本当に苦手だなと思いました。どうしても硬めのエッセイにしかならないので、じゃあもうそれでいいやと思っています。ロバート秋山の替え歌もちゃんと出てきます。それと並行して各作品へのコメントや組版の修正があるわけで、けっこう頭がパンクしてきました。胎界主の方は、そもそも締切自体を把握できていないのですが、とりあえず新刊を作り始めました。余さんはもう入稿を終えていましたね、優秀だと思います。第一部の各話ごとに触発された詩をつくろうと思い立ったのは良かったのですが、難しいです。いまインプで詰まっています。話自体はとても好きな回なのですが詩に落とし込もうとすると難しい。まあでもサンプルはいくつか用意できたので、webオンリー当日に未完成でもなんとかなるな、と思っています。今年が終わればしばらくやらないと主催者からアナウンスが出ていたので、なんとしても完成させたいです。

読みたい本も溜まってきました。山本浩貴『新たな距離』がデカすぎてのけぞっています。私がよくTwitterで言語表現を酷使とか言ってるあれです。装丁がとても凝っていて好ましいです。この本の組版と校正、絶対したくないなと思いました(大変そうだから…)。しばらくはこれにかかりきりかなと思います。あとは、間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』を読み始めました。まだ冒頭も冒頭ですが、「こんな作品でデビューしちゃったら次回以降めっちゃ苦労しそうだな…」と要らん心配をしてしまいました。語り手が特殊なので地の文が小学生みたいな文章なのですが、それが本来の文体ではないと思うので、次回作以降でそれを編集者にも読者にもお披露目しないといけないとなると、しかも前作の評判が良いとなると、大変だなと思います。なんとか潰れずに次作を出してもらいたいです(私はすべての小説家に対してそう思っています)。最近読んだ詩集で良かったのは藤原安紀子『どうぶつの修復』でした。世界観はよくわからないままでしたが、言葉選びが良かったです。こういう詩を書きたいと思いました。

図書館から返却依頼がはがきでやってきました。二ヶ月も経っていないのにはがきを出すんですね。人手と切手代の無駄だなあと思います。図書館はどうしてもスケジュールの管理が難しいので結局あまり使わないがちになってしまいます。借りてみて良い本だったら自分で買いますし、じゃあ最初から自分で買うのと結果は変わらないなと思ったり。故郷喪失関連の本を借りていたので、まだ返したくないなと思い、どうせ次の予約も入っていないようだからしばらく返さずに放置しておこうと思いました。周囲には、九ヶ月とか二年とか返却していない方がごろごろいるので心強いです。

早く春になってほしいです。3月が終わりかけていますが、私の望んでいる春ではないため……。詩に書いた「春」のような春がまた来られても困りますが。もっとおだやかぽかぽか陽気になってもらいたいですね。

藤井佯