【ネタバレあり】スザンナ・クラーク『ピラネージ』感想

DiaryC0097,書籍感想

著者『タイトル』(出版社)

http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488011116

読み始め:2023/5/11  読み終わり:2023/5/16

あらすじ・概要
僕が住んでいるのは、無数の広間がある広大な館。そこには古代彫刻のような像がいくつもあり、激しい潮がたびたび押し寄せては引いていく。この世界にいる人間は僕ともうひとり、他は13人の骸骨たちだけだ……。過去の記憶を失い、この美しくも奇妙な館に住む「僕」。だが、ある日見知らぬ老人に出会ったことから、「僕」は自分が何者で、なぜこの世界にいるのかに疑問を抱きはじめる。数々の賞を受賞した『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』の著者が、異世界の根源に挑む傑作幻想譚。

読んだきっかけ
おすすめしていただいて。

コメント・感想
面白かった。特に、ピラネージを助けに来るのが大切な誰かなどではなく警察だったところが良かった。全編通じて謎の引っ張り方が上手い。館の描写はもちろんだが、起こる出来事やそれに対しての「ぼく」の捉え方が面白い。一人称視点の良さを利用し尽くしている。ラファエルについての他者評「もちろん、あの人はちょっとその……というか、あの人は必ずしも……」「まあ、ものすごく一緒に働きやすい人とは言い切れないってことです。それに、タイムマネジメントとか? 絶対に得意分野じゃないですね。でも本当に、ぼくらはみんなあの人をとても尊敬しているんです」がすごい刺さり方をする。館に行ける条件を持った(というか、行けやすい人)というのがそうというのは分かるがいやしかし……。