タロットリーディング

2023-07-26Diary,タロットタロット

 最近、タロットにハマっている。どういうものなのか一応説明しておくと、全78枚のカードをシャッフルして、スプレッドと呼ばれる固有の配置にカードを並べ、出てきた絵柄をその正逆や配置に沿って総合的に解釈する占いだ。占いには大きく分けて命占(占星術など生年月日を使って占うもの)、観相(手相占いなど)、卜術などがあるが、タロット占いは、偶然性に必然性を見出す占いということで卜術に該当する。偶然に頼るなんてそんなの当たるのか、と思われるかもしれないが、当たるとかそういうのではない。どちらかというと、ある出来事について「こういう見方ができるのか」と新たな解釈を得られる点、偶然なはずなのにあまりにも事象を象徴したかのようなカードが出ることもある点が面白い。外れたとしたら、なぜそうなったのかをまた再考して次に活かすことができる。この、解釈→検証→フィードバックのサイクルが比較的容易に回せる、かつ蓋然性があるという部分がASD気質にばっちりハマり、面白くてついカードをパチパチやってしまうのだと思う。
 具体的にどんなことを占ってニチャニチャ楽しんでいるのか。私は見ての通り小説家になりたい人間なので、その手の質問が多くなる。例えば2023年7月26日に実施したこの質問。
「小説でお金を得たいがどうすればいいか」

 このような結果になった。これは、ケルト十字スプレッドと呼ばれるもので、自身の状況や時間による物事の流れ、自身の本音や他者からの評価などを深く総合的に解釈できる展開方法だ。それぞれの配置の意味は以下のようになる。

①自身が現在置かれている状況(真ん中の隠れてるカード)
②自身の障害となっているもの、状況をゆさぶるもの(横向きに置かれたカード)
③やってくる可能性のあること、もしくは顕在している自身の態度など(十字の上のカード)
④問題の源、潜在している自身の態度など(十字の下のカード)
⑤過去に起きた出来事や弱まりつつある影響、解決した要素など(十字の左のカード)
⑥これから起こるであろうごく近い未来、近づいてくる影響など(十字の右のカード)
⑦自身の本音、自己イメージ(右の棒の一番下)
⑧他者からみた自分(右の棒の下から二番目)
⑨希望や恐れ、あるいは鍵となる要因(右の棒の上から二番目)
⑩出来事の最終的な結果、内面や行動面に対する結果(右の棒の一番上)

 さて、同じ画像をもう一枚貼るが、上記に沿ってこのスプレッドを読んでいくとこうなる(あくまで私の解釈である。悪く言ってしまえばタロットリーディングは解釈ゲーなので正解はない)。ちなみに、ここで言う「小説でお金を得る」とはどういうことかについて。「将来的にプロの作家になりたい」という気持ちは念頭にあるもののそうした数年後の未来ではなく、あくまでもう少し短期的な出来事のイメージで占っている。私のTwitterやFedibirdのアカウントには、私と同じように小説家を目指している人や、商業作家ではないがセミプロな人、商業作家などがいるので、それらの人々の投稿を日常的に目にすることになる。そうしているうちに、ウェブメディアに人々の小説が掲載されたり、人々が続々と商業デビューしていたりする様子を目の当たりにして、「いいなー私もそういうのやりたい」と思ったわけだ。たとえば公募で採用されて短編集に収録されたり、自身のサイト以外のweb媒体に掲載されたり、そういったことが自分の身にも起こってほしい、と思った。

 出てきたカードを見てみる。タロットカードは、大アルカナ(人生全体の流れを表すかのような、主要なカード)22枚と小アルカナ(棒=ワンド、カップ、ソード、金貨=ペンタクルの4つのスートからなる、大アルカナより比較的身近な出来事を表すカード)56枚からなっている。さらに、カードの正逆でそのカードの力がどう働いているかを見ることになる。まず、全体的に「絵面が強い」と思った。大アルカナが10枚中6枚も出てきている。こういうときは、自身の人生のなかでも比較的大きかったり印象的だったりする出来事が近づいているサインであると解釈する。
 順に現状から見ていくと、①の位置に「皇帝」が出ている。どうやら権威を手に入れたくて仕方がない模様。「俺に任せろ、やってやるから」と叫んでいる感じがする。エレン・イェーガーの「いいから黙って俺に投資しろ!」状態だ。続いて②「女司祭長」、これは潜在意識や神秘的な領域を司る人物だ。また、機が熟すまで静観するべきことを示すカードでもある。月並みだが、「皇帝」と「女司祭長」が交差している様子が「早く俺にやらせろ!」と叫んでいる皇帝を「まあまあ今は待ってなって」と女司祭長が宥めているようにも見える。続いて③の位置。「ペンタクルの3」が出ている。三人の人物が話し合い、教会の工事? をしようとしている。誰かと協力することや、専門的知見、計画性、物事を遂行する能力などを示すカードだ。この位置は解釈が難しくて「起こりうる未来」と解釈することもあれば、「自身に顕在している能力」と見ることもある。今回は、前者で見て「目標に到達する、能力を証明する」ことができる暗示だと受け取った。自分に都合がいいが、良いカードが出ているので仕方がない。続いて下側の④、「カップの2」。これは、単純に恋人や性愛を表したり、何かが結合・調和したりすることを表したりするカードなのだが、上手く読み取れなかった。「潜在しているものごと」なので、「誰かと既に出来上がっている関係」が知らず知らずのうちに良い影響を及ぼすことになるのか、カップの受け手を自分、渡している相手を「才能」や「何らかの作品からの影響」などの形のないものと見て、既に契約が交わされている、交感が行われていると見るか、といった感じだろうか。
 これまでは、自身の現状や状態を見てきたが、次は「過去、現在、近未来」の流れを見ることになる。⑤の位置に「隠者」が出ている。これは「引きこもるぞ〜」とか「孤独が好きです」「静かに一人で考えさせて」なカードで、これが過去で出ているということは「今まで一人で黙々とやっていたけど、そろそろ誰かに作品をもっと見てもらいたいかも」と思い始めた、といったことを表しているように思う。そして、「隠者」から「皇帝」状態へ変遷し、「一人でやってるよ」から「俺にやらせろ、もっと俺を見ろ!」になったのかなーと考えられる。近未来⑥には「塔」が逆位置で出ている。「塔」というのは「思いがけない出来事が起きてすべてが変化する」とか「感情が爆発する」とか、とにかくショッキングなことが起きますよというカードなのだが、逆位置なのでその影響が少しだけ弱まり「エーッて感じのことが起こる」「受け入れられはするけど衝撃的な出来事が起こる」程度に解釈できる。正直なんのことやらさっぱりだが、今の時点で予測できるならそれは「塔」的な出来事とは言えないわけで、想像もつかないのが当然ではあるだろう。とにかく、近い未来に何かが起こるということだけがわかる。
 さて、右側の棒の解釈に移る。一番下⑦に「ソードのキング」が出ている。ソードというのは思考や精神力、風の象徴である。バッサバッサなぎ倒したり、研ぎ澄まされた思考で明晰に判断をくだしたり、そういうイメージのカードだ。そのキングなので、ソードの力を外的に実践する人物を表している。⑦の位置は「自身の思う自分の姿」なので、私はいま「クリエイティブで冴えた作品を緻密に作り上げることができます! やれます! やらせてください!」と意気込んでいるということなのだろう。意気込んでいます。一方で、⑧の位置に出るのは「他者から見た自己像」である。「愚者」が出ているので、私は周りからは「実力は未知数」「なんかふらふらしてる、何やってるかわかんない人」「夢見人」などと思われているということになる。思っとるか? ⑨に出るのは「恐れや希望」「キーとなる要因」である。「星」が出ているので、「今あなたは正しい道にいます。希望がありますよ。やる気出してください、報われますよ」と教えてくれていることになる。なんか今日のタロットめちゃくちゃ優しいな、ありがとうございます。最終結果⑩には「ペンタクルのペイジ」が出た。カードを見たら分かる通り、でかい金貨を持って「うわ〜」と感嘆しているような絵だ。まんますぎて笑う。最終的に「ペンタクルのペイジ」状態になります、ということは「小説でお金をもらえます」と解釈してもいいのではないかと思った。なんだか、全体的にポジティブすぎる結果でちょっと怖くなるほどだ。質問は「小説でお金を得るにはどうすればいいか」だったが、②の障害となる要因「女司祭長」や⑨のキーとなる要因「星」から見ると、今のままこの調子で頑張れば近いうちにチャンスが巡ってくる、いまは機が熟すのを待つとき、といった意味合いを読み取ることができる。この調子でやるぞ。

 大体こんな感じでリーディングしていくのだが、少しでも楽しさが伝わっただろうか。なんかこんなに良い結果だと信じてもらえなさそうだが、もちろん「うわ、つらいな」というカードが出ることもある。そういうときでもこちら側としては粛々とカードの言わんとすることを解釈するほかない。そんな感じで楽しくやっている。まだまだ練習中だが、もっと上手くリーディングできるようになりたいと思っていて、占ってほしい人を随時募集している。タロットリーディングで対応できるものについてはリーディングして、その結果を私なりに解釈してお送りできると思う。タロットで占うべきではないものとして「人の生死、医療や法律など専門的な事柄、犯罪、ギャンブルの当たり外れ」などがある。また、占えないことはないが当たると保証できないものに「未来予知」がある。「告白が成功しますか」とか「いつ◯◯できる?」とか、そういう「自分で責任を引き受けられないもの」についてタロットでは占える範囲が限定されてしまう。つまり、「告白が成功しますか」と聞きたければ「どのように思いを伝えればうまくいくでしょうか」などといった「問題解決型」の質問にすり替えたほうが上手くいく。私も「いつ公募の結果が発表されますか?」と占ったことがあるが、めためたに外れた。かすりもしなかった(ちなみにタロットが見れる未来の範囲は3〜6ヶ月だという説もある。あくまで説だが、得意なのは間違いないだろう)。
 また、対面や通話ではなくテキストベースでの占い(いただいたメッセージをもとにカードを展開し、その結果を解釈してお伝えする)になるので、対面のときとは異なって「追加情報や背景を十分に知らないまま」占うことにもなるかもしれない。そのため表面的な回答になってしまう可能性もある。当たるかというより「こういう解釈があるのか」という向きで楽しんでもらえると嬉しい限りである。そしてもし余裕があれば、後日フィードバックまでいただけたら最高だ(これは強制ではありません)。

 もし私に占ってほしいという方がいらっしゃれば、こちらから。最低でも3日以内には反応します。よろしくお願いします。