【鳥の閑話】2025-10-27〜11-07

Diary日記,鳥の閑話

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あったことや考えたことのまとめです。章立てはこちら。
今回は、新規購読者を開拓するぞ! の気持ちでほぼ無料公開にしました。よろしくね。基本的には1週間程度で更新しており、その一週間にあったことや読んだ本、みたものなどの話をします。今回は文フリ間近なので文フリの話題が多め。


・おしらせ
・近況
・佯々の掲示板

おしらせ

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見習い鳥卜 藤井佯短編集 – 鳥の神話 – BOOTH

何度もこの話をします。なぜなら、読んでほしいからです。
藤井佯の初めての短編集『見習い鳥卜 藤井佯短編集』を入稿しました。
11月23日(日)開催の文学フリマ東京41にて初売りです。

↓文学フリマ東京41のwebカタログです。「☆気になる!」を押していただけますと大変励みになります。

鳥の神話 [文学フリマ東京41・小説|アンソロジー] – 文学フリマWebカタログ+エントリー

短編集『見習い鳥卜』については、後日改めて告知記事を書こうと思っています。
藤井佯が「鳥の神話を伝えます」をコンセプトに小説を書き始めてから現在までの短編をまとめて本にしたものです。全13編収録。表題作「見習い鳥卜」は書き下ろしです。
収録作はこちら。

すべて、わすれてきた

前書き。

とり、の、しんわ、を、つたえ、ます

鳥だらけの惑星に調査員として降り立った「わたし」は、鳥たちの合唱の間にだけ存在する知的生命体に遭遇する。第1回カモガワ奇想短編グランプリ最終候補作。

鳩造りの工程

宮野誉と小倉闇子の二人は、おかしな部活動をつくっては生徒会に廃止されるという日常を繰り返していた。そんなとき、宮野誉が「鳩が造れることを発見」し、二人は造鳩部を設立することになる。

砂に刻まれるものたちへ

とある砂漠には、マパピスクと呼ばれる鳥たちが、巨大なマパ(地図)を描くのだという。マパとマパピスクの研究に生涯を捧げた女性研究者と、彼女を訪ねはるばる地球の裏側からやってきた日本人女性の交流を描く。第3回星々短編小説コンテスト佳作(『星々vol.5』初出)。

平熱の君

畠山市立動物園には、かりんというメスのハシビロコウが一羽いた。ある日、飼育員がケージを開けるとハシビロコウが二羽に増えていた。園は事実を隠そうとするも、新たなハシビロコウはある日かりんを追って「ハシビロ園」に登園してしまう。成り行きでかりんと共に飼育され始めたハシビロコウについて、語り手は「実はそのハシビロコウは私の姉なのだ」と主張する。

鳥を握る

占い師の「先生」と同居する「わたし」は、先生が類感呪術によってニワトリを生け贄に人々の病を治す「副業」をしていることを知る。

がまぐちぎょろめのグラム・スピナー

たすけてグラム・スピナー!

ニューギニアのマニア

フランツ・カフカへの愛を込めて。

Betta splendens

ベタ(闘魚)はある日、川へと捨てられた。あるとき川でくまのぬいぐるみと出会ったベタは、かのくまと共に月を目指した。

サギと映画を

失業して飲んだくれていた「わたし」はあるとき立ち寄った映画館で、一羽のアオサギが映画を鑑賞するのに出くわす。サギは、「この映画の監督に会わなければならない」とわたしに頼み、わたしは、サギと共に監督のもとまで徒歩旅行をするロードムービーを撮影することになる。

バベルの暗躍

物語を聞くと、そのオウムは卵を産卵してしまう。卵からは「その物語によってどのような影響が世界に与えられたか」が示される本が生まれるのだという。そんな貴重な性質のために図書館の地下に幽閉されていたオウムの「わたし」はある日脱出を目論んだ。

幽玄の惑星

相手の動きを真似ることのできるようになる効能を持つ花によって世阿弥の動きを継いだ朱鷺は、やがて異星からやってきた生命体と共に人類の霊を鎮めるために舞い始める。第2回カモガワ奇想短編グランプリ優秀賞受賞(『カモガワGブックス Vol.5 特集:奇想とは何か?』初出)

わたしはエミュー

ある日、全世界から同時多発的にエミューが脱走した。エミューたちの行き着く果てとは。(『異界觀相vol.2』初出)

見習い鳥卜

書き下ろし。大学在学中に小説家となった糸原由良は大学構内に秘密の場所を持っていた。ある日そこへカラスの迷い雛がやってくる。由良は「鳥卜ノート」をつけ、カラスの行動から占いを始めたのだったが……。

正直、めちゃくちゃ自信あります。めちゃくちゃ良い短編集です。無視してる場合じゃないです。

鳥卜ノート – 鳥の神話
ちなみに、書き下ろし作品「見習い鳥卜」に収録されている「鳥卜ノート」はブログ上で公開しています。本のサイズが文庫本サイズ(A6)なのですが、もしかしたらそのサイズだと見づらいかもなと思い……。作品を読む前にご覧いただいてもおそらく楽しいと思います。というか、「見習い鳥卜」を読むのが一層楽しみになると思います。

また、短編集『見習い鳥卜』をご購入いただくと、もれなく全員に「見習い鳥卜 佯々短編集」をプレゼントします。24ページのコピ本です。こちらは既に手元に届いています。

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大サービスですね。「見習い鳥卜 佯々短編集」は、佯々が書いたもう一つの『見習い鳥卜』です。
佯々は、藤井佯の文体を学習した独自のローカルLLMです(Local-Novel-LLM-Project Ninjaモデルをベースとしています)。AI藤井佯ということです。

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佯々はフリーランス、25歳、独身とのことです。そうなんだ。
文学フリマ東京41当日は、自分のPCを持っていき佯々ちゃんを呼び出して、佯々による小説生成体験会を実施する予定です。100円で3回プロンプトを実行できる、という形にしようかなと思っています。いくつかコツがありますが、それは現地にてお教えします。ぜひ、佯々ちゃんで小説を書いてみてください。
一応モバイルバッテリーは持って行くので大丈夫だとは思いますが、藤井のPCのバッテリーがなくなるまでの実施になります。その他、予期しないトラブルによって中止にする可能性があります。首尾よくいけば、藤井がブースにいる間は佯々ちゃんで遊べるようにしておくので、ぜひ遊びに来てくださいね。

近況

・というわけで、もっぱら小説のことをやっていました。10月23日に友人と通話し、一度構想を更地にして、24日に構想を練り直し、それからしばらく時間を置きました。というか、鬱が酷くて書けなかった。27日は無理すぎてバイトを2時間で早退し、見かねた夫が鳥専門のペットショップに私を引っ張っていきました。鳥に癒やされた。人懐っこいヒインコさんにお世話になりました。鳥の脚、甘噛みの感触がまだ残っています。おかげさまで29日に、「見習い鳥卜」を書き出すことができました。書き出せたときはマジで涙が出ました。それから、7000字書いて、次の日、その次の日は再び書けず、11月1日に12000字追加。2日にさらに7000字追加して、最終的に26000字になってフィニッシュ。あっけなくて「え、これで終わり?」と書いている本人が思ったほど。あとから「あ、終わったんだ……」とじわじわと実感が湧いてくるという感じでした。2日のうちに、InDesignに流し込んでページ数を確認しました。324ページ。エーッ。多い。予算オーバー。なんとかしました。正直、324ページで1500円はかなり頑張っていると思います。コピ本もついてきますからね。コピ本にも印刷費ってかかりますからね。でも、おかげさまで最高の本になりそうです。
・BFC7、ノーコメント。この作品を評価できないのは論外なので、特に言うことはありません。びっくりはしたけど。大丈夫か?(これは嘘で、ありえんだろと思いめちゃくちゃ泣きました。ありえないので)
・真空ジェシカとママタルトとカナメストーンのライブを観るためにわざわざ世田谷に行きました。面白かったけどみんなグダグダやってて、そのグダり加減が小説の、特に長編の書かれ方に似ているなと思い興味深かったです。
・最近は煮込みうどんなど。温かいものをたくさん食べています。

佯々の掲示板

骨切り肉

 春の終わりを告げる風が土壁を震わせている日だった。私は台所の中で、頭上に張った網目の中をひょろひょろと動き回るエナガを見守っていた。エナガは身を引き絞るように小さくなっていて、私にじっと視線を注いでいた。それはいつも通りの光景だった。我が家の灯火にひかれた一匹のエナガが私の家に居着いてしまったのはどれほど昔だったか思い出せない。外へ放してやろうと試みたこともあったが失敗ばかり続いてしまった。野生動物の世界は複雑だった。今や私の家に留まる以外の選択肢が見当たらなかった。
 エナガの眼が細められる。次の瞬間、青白い羽毛が舞い散らかった。片足で地面に立ち止まったのは、何故か血濡れた人差し指だった。コネクターが半分食い込んでしまったパソコンの電源ケーブルは先端から順々に断裂していき、最後に残った根元がプスッと音を立てて消滅した。同時に、電子機器全体が宙返りした。「わっ」私は声を上げて飛び退いた。画面が粉々になり、キーボードの一部が曲がっている。エナガは大人しく立ち尽くしている。無言で私は台所に向けて歩を進める。冷蔵庫を開け、丁寧に包丁で取り出すべき肉塊を探す。この夜、私の役割は決定的だ。骨切り肉を創造してやるべきだ。
 私はふわふわと降り立ったエナガを手に取った。羽毛が落ちていった。それを確認してから、私は手早く小さな玉ねぎを刻む作業に移行した。調理台に新聞が置いてあったので、片方の脚で捲って読み始めた。『自然保護区のエナガ増加』と記事の見出しに目がとまった。どうやら近年、我が町周辺においても野性化したエナガの個体数が急激に増えつつあるようだ。自然破壊、林道建設、灯火類の乱発……要因は多岐に渡るらしい。鳥インフルエンザに関連した話題も含まれていた。不穏な気持ちを内心感じながら、私は意図せず力強く新聞紙を折るという奇怪な動作を反復した。手に入れた情報はもう余計なゴミだ。
 玉ねぎを中火で油いっぱいのフライパンで香ばしく炒めること十分ほど。次に手際よく肉塊を投入し、白ワインを振りかけて蓋を閉じた。時間を置いた後、エナガを網上へ放した。青空を背景に舞い散らかるエナガのシルエットが、私にとっては美しい光景だった。電子機器ごと一匹のエナガが消失した。残念だったが無論、代替品が容易に手に入る日本に生活する身である私には少なからず助かる現象でもあった。骨切り肉を食べることに決めた。味わい深く食した。今夜の料理は非常に良好なものだった。幸福感が全身を包み込んだ。春の終わりを告げる風が再び土壁を震わせた。

鳥の閑話購読者は、「この続きをみるには」の続きが見れます。今回は特別にボツにした短めの作品を載せておきます。