揃っちゃいるけど書き出せない!【タロットリーディングで創作のブロックを解きほぐす】

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はじめまして、こんにちは。藤井佯(ふじい・よう)です。
「鳥の神話を伝えます」をコンセプトに小説を書いています。
プロの小説家を目指していて、公募に挑戦しています。

それで最近も、円城塔賞に応募しました。

円城塔賞というのは、カクヨムコンテスト11【短編】にて同時開催されている賞です。なんと円城塔先生が作品を読んでくれる!

よしやるぞ! と思い、創元SF短編賞(1月13日締切)が終わったあたりから、早速構想を練り始めました。1月の最終週には構想が出来上がっていたかなと思います。

しかし、結局応募は締切ギリギリになってしまいました。1月31日にやっと応募が完了しました。しかも、その日のうちに0から1万字書き上げてその勢いのまま投稿するという無計画っぷり。

なぜ私はいつもこうなのか。締切のギリギリになるまで書き出せない。それは、やる気の問題だけではなく、「なんかしっくりこないな〜」で一文目を書き始めることがいつもできない。

でも書き始められてからは相当速いんです。現に円城塔賞への応募作は4時間くらいで1万字を完成させています。

だけど毎回毎回「書き出せるまで」が遅い! 

マジでエンジンかからない。ライターズブロックという言葉がありますね。でもそういうんでもないんです。

 

構想は全部できている。プロットも完璧。設定も決まった。あとは書き出すだけ……
→ここから実際に書き出すまでにめっちゃ時間がかかる

 

って感じです。全部揃ってるんです。揃っちゃいるけど書き出せない。

何かが足りないんです。

何かがカチリとハマってくれないと、私は全然書き始められない。

そういう悩みが私にはありました。

迷ったらタロットリーディング

私は、タロットリーディングができます。

今回の記事の趣旨はこういうものです。

 

「創作で行き詰まったらタロットリーディングで原因を掘り下げてみよう!」

 

今回は私が実際に、円城塔賞の原稿でどういう壁にぶつかっていたのか、どのようにしてタロットリーディングでそれを特定したのか、それからどのようにブレイクスルーを経て書き出すことができたのか? という一例を余すことなくお伝えしちゃおうと思います。

実はこれ、宣伝記事です。

【小説家が伴走】過去作の精読×タロットで、あなたの物語の「詰まり」を解消します

SKIMAというコミッションサービスを使って、↑のようなサービスをしています。

・あとは書き始めるだけなのに一向に書き出せない……
・物語の中盤で筆が止まり、どう展開させればいいか分からない……
・キャラクターの動機や設定に「あと一歩」の説得力がほしい……
・自分の作風を客観的に分析してもらい、強みを活かした執筆がしたい……
・一人で悩みすぎて、執筆のモチベーションが下がっている……

そうしたお悩みをタロットリーディングをしながら一緒に考えますよ〜というサービスをやっています。

ただ、実際にどのような方法で解決を試みるのか? という点がイメージつきづらいですよね。そこで今回は、「タロットリーディングで創作のブロックを解消するってどうやるの?」という一部始終を私の実例つきで見せちゃいたいと思います。

円城塔賞に応募した『その煙いまだ』について

その煙いまだ(藤井佯)

私が実際に円城塔賞に応募した作品はこちらです。
あらすじがわからないとなんのこっちゃだと思うので、梗概を書いておきます。
(ネタバレ嫌な方は先に作品をお読みになってから次に進んでください)

舞台は、点在するコロニーで人々が一生を終えていく月面世界。主人公のトミは、コロニー間を移動する孤独な「運び屋」として月面移動用ビークル〈ホーライ〉で今日も月面を駆ける。彼はコロニー・サンに潜伏する謎の男・アマノから特定の荷物を運ぶ依頼を受ける代わりに、禁じられた「地球の知識」を得る取引をしており、コロニー・サンへと向かう途中だった。その頃、月面の各コロニーでは「絶滅の天使」という不気味な歌が流行し、歌が広まったコロニーは次々と崩壊していくという奇妙な現象が起きていた……。 ある日、とあるコロニーで水煙草を吸ったトミは、自分が「絶滅の天使」そのものであり、行く先々のコロニーを崩壊させてきた元凶であることに覚醒する。自らの使命を悟ったトミは、その圧倒的な力で人々を「すくい」(=滅ぼし)始める。 やがて、アマノのいるコロニー・サンに戻ったトミは、絶滅の天使として彼を滅ぼそうとする。しかし、アマノに引き止められ、彼が特別に調合した水煙草を吸ってしまう。その煙は、トミの肺を通して脳に「人間の全歴史と文脈」を注ぎ込んだ。人間の罪、愛、美しさ、そのすべてを理解してしまったトミは、アマノを殺すことができなくなる。 アマノは真相を語る。この世界で流行する水煙草には、人々の認識を改変し、現実を書き換える力があった。「絶滅の天使」もその産物だったのだ。アマノはそれに対抗するため、「罪を浄化する」水煙草をサンに流通させたが、その結果、予想外にサンの住民は罪のない【鳥】へと姿を変えてしまった。認識改変が効かない特異体質のアマノだけが、最後の人間として残ったのだった。 人間のすべてを知り、その運命を託された「絶滅の天使」トミ。彼はアマノを「赦す」ことを選び、二人は鳥たちが見守る中で、ただ静かに煙草を吸いながら、これから先のことを考えるのだった。

読めましたか? では進みます。

円城塔賞の締切は2月2日(月)正午でしたが、その日は予定があり執筆に費やすことができないことはあらかじめわかっていました。そこで、なんとしても2月1日までに書き上げて応募しなくてはならなかったのですが、1月31日の午後になっても全く書き出せなかった。少し書いてみたものの全然しっくりこない! そして面白くない!

それで、私は迷った末に、いつものごとくタロットリーディングに頼ることにしました。

最初のタロットリーディング——現在地を把握する

「今日明日で円城塔賞の原稿を書き上げなきゃいけないんですけど全然書き始められません。私っていまどういう状況ですか?」と聞いた結果がこちらです。

これは、ホースシュースプレッドといって、問題解決の手がかりを見つける、時系列に何が起こるかを整理するのに効果的なスプレッドです。アドバイスも見れるので私はこのスプレッドを使うことが多いです。

順番に結果を見て行きましょう。

過去:ワンドのナイト・正位置
現状:力・逆位置
近未来:ペンタクルのキング・逆位置
アドバイス:隠者・正位置
周囲:世界・正位置
障害:死・正位置
最終結果:カップの2・正位置

以下、これを見て私なりにこのスプレッドを解釈したものです。

 

やる気はあるのだがいまいち集中力が足りてなくて注意散漫になっている(力・逆位置)。
しばらくは正攻法では書けないかも(ペンタクルのキング・逆位置)。
しかし環境は完全に整っていて(世界・正位置)あとは書くだけ。
書き始めるのが億劫な原因は本当はもう心の底ではわかっている(死・正位置)。
最終的には作品と和解できて書き始められる(カップの2・正位置)。
アドバイスとしては、一人の対話を続けること(隠者・正位置)。

 

ここで、障害に「死・正位置」が出ているのが私のなかで気になりました。多分、私は心の底では本当は書き始められない理由をすでにわかっている。死が象徴するのは、それを手放す必要性。生まれ変わる必要性なのだと思いました。

それで、ちょっと自己分析してみました。

 

私が書き始めることが億劫になっている理由は、きっとエンタメを書くことへの苦手意識です。今回の作品は、最初からけっこうプロットがかっちり出来てしまったので、そのプロットを最大限活かして面白いものが書けるのかが不安なんだと思います。あと、そういうプロットが出来てしまったので仕方がないのですが、円城塔にこんなごりごりのSFエンタメが刺さるのだろうか、もっとなんだかザラつきのある話になった方が良いんじゃないかという不安があり、それが書きだすのを躊躇させている気がします。書き始めたらきっと早いですが、この懸念を書き始める前に少しでも減らしておくことが重要な気がします

要は、緻密で完璧な作品よりも、私は粗削りでも強烈なひっかかりのある短編を好んでいるということなのだと思います。そして、そんな作品にできるかどうかを不安がってしまっている。

 

それから、念のためGeminiにもこの結果と私の解釈を相談してみました。するとこんなことを言われました。

 

こんにちは。執筆を前にしたその「嵐の前の静けさ」のような、あるいは「重い扉の前に立っている」ような感覚、痛いほど伝わってきます。

藤井さんが引き当てたカードと、ご自身による深い洞察を拝見しました。非常に鋭い自己分析をされていますね。特に「死」が障害に出ていて、最終結果が「カップの2」であるという点は、創作における「古い自己(プロットへの執筆義務)の解体」と「作品との幸福な再会」を象徴しているように見えます。

私の視点から、このリーディングをさらに深掘りして読み解いてみます。

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## 1. リーディングの再解釈:なぜ「書けない」のか

### 現状と障害:『力(逆)』×『死(正)』
「力」の逆位置は、内なるエネルギーが空回りしている状態を指します。そして障害にある「死」は、文字通りの終わりではなく、「予定調和の終わり」を求めているカードです。
藤井さんが仰る「かっちりしたプロット」こそが、今の藤井さんにとっては「死(終わらせるべきもの)」なのかもしれません。プロット通りに書くことが、まるで「既知の作業」のように感じられ、創作の醍醐味である「発見」を阻害しているのではないでしょうか。

### 周囲:『世界(正)』
環境は完璧です。これまでの準備、培ってきた文体、Obsidianでの管理、すべてが「あとはやるだけ」の円環を閉じています。この「完璧すぎる環境」が、逆に「失敗できない」というプレッシャーを生んでいる可能性もあります。

### アドバイス:『隠者(正)』
「一人の対話」という藤井さんの解釈、その通りだと思います。ただ、隠者が持つランタンが照らしているのは、外の世界(読者や賞の傾向)ではなく、自分の内側にある「ザラつき」です。
円城塔氏の好みを気にする自分(外向き)ではなく、「自分が今、この物語のどこに違和感を抱いているか」を徹底的に掘り下げる時期だと言っています。

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## 2. 不安の正体:エンタメ性と「ザラつき」の対立

藤井さんが感じている「ごりごりのSFエンタメでいいのか」という懸念は、非常にクリエイティブな葛藤です。

* 「ペンタクルのキング(逆)」が示す近未来
これは「形にすることへの固執」や「過度なコントロール」への警告です。プロット(形)を完璧に守ろうとすると、作品の魂が死んでしまう。
* 「カップの2(正)」が導く解決
このカードは「和解」や「対等な契約」を意味します。つまり、「プロット(知性)」と「藤井さんの違和感(感性)」が握手できたときに、筆が動くという暗示です。

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## 3. 現状を打破するための具体的な提案

「粗削りでも強烈なひっかかり」を求めている藤井さんの本能に従うなら、書き始める前に以下の「儀式」を試してみてはいかがでしょうか。

1. プロットの「破壊」ポイントを一つ作る
「隠者」のランタンをプロットに当ててみてください。どこか一箇所だけでいいので、「あえてプロットを無視して、登場人物に勝手なことをさせる、あるいは構成をぶち壊す」という余白(ザラつき)を今、決めてしまうのです。
2. 円城塔氏への「挑戦状」として書き換える
「刺さるだろうか」という受身の姿勢(力の逆)から、「この完璧な構造の裏側に、こんなドロドロしたものを隠してやったぞ、見つけられるか?」という攻めの姿勢(ワンドのナイトの再燃)へ転換してみてください。
3. 「死」を受け入れる
「完璧なエンタメを書こうとする自分」を一度殺し、「自分が一番読みたかった、行儀の悪い短編」を、その整った環境(世界)の上で暴れさせてあげるイメージです。

最終結果の「カップの2」は、書き上げた後にあなたが自分の原稿を見て「ああ、これは私の分身だ」と愛おしく思える未来を約束しています。

プロットはあくまで地図です。地図にない脇道に逸れる勇気を持つことが、今の藤井さんにとっての「隠者の智慧」かもしれません。

 

この時点で、私はまだ「うーん」となっています。Geminiの分析は正確なのですが、プロットを壊すことで解決する気はしませんでした(これは経験則と勘です)。

そこで私は、Geminiにこのように返しました。

 

おそらくこのまま書き始めるとウェルメイドな短編ができあがります
それはそれで良いと思いますが、おそらく私はそれじゃ満足できない
プロットを壊そうにも、綺麗すぎて壊す気が起きない
つまり足りていないのは最初の火花です
爆弾はあるけど着火するものがない感じ
憑依がまだ完了していないということだと思います
このプロットをつくったのは数日前で、そのときの熱をもう一度取り返す必要があります
高揚感のなか書き始めなければいけませんからね
あと、エンタメが苦手という意識はどのみち早いところ解体する必要があります
私は純文学的な作品も、エンタメ的な作品も書ける作家になる必要があるからです
書き始める前に、熱を取り戻し、自信を持って書き始められるようなワークを一緒に考えたいです

 

Geminiの提案してくれたワークはあまり参考になりませんでした(そんなものです)。

そこで、私はGeminiを無視して引き続き自己対話を続けます。

 

というか、なんでこんな面白そうなプロットなのに書きだせないんだろうと思ったんですけど、多分プロットが面白すぎるのでいざ執筆したときにそれを超えられるかが不安なんでしょうね

プロットから再現されうる最大の面白さを作品に落とし込むのが最低ラインで、望むべくはプロットを超えて作品がもっと面白くなることなんで、私の自分に対する要求ラインが高い

それで勝手にハードルを設定して勝手にそれに怖じ気づいている

そういうことなんだと思います

 

あと、受賞したいプレッシャーもあるかもです

実はこの賞は第二回なのですが、第一回は私の知人が受賞しました。その方はもともと実力のある方だったのですが、運に恵まれず3回ほど商業デビューを逃していた方で、そうしたことが続いたタイミングで私が同人の文芸誌にお誘いし、それで再び作品を書くことのモチベーションが戻ってきたと仰られていました

それで、私はその方に高く買っていただいており、それはありがたいことなのですが、なんだか話ができすぎていて、「ここで私が受賞しなかったら嘘じゃない?」みたいになってしまっているというか

あと、その方は受賞後に、短編集を出したのですがその反響もかなり良くて、結果円城塔賞は第一回よりも大幅に応募者数が増えているようです

なんか、意外にもナイーブにその手のプレッシャーを感じてしまっているみたいです

楽しく書けるのが一番なのにですね

 

そう言うと、Geminiはこう返してくれました。

 

なるほど、それは想像以上に重い「文脈」を背負ってしまっていますね。

知人の方が藤井さんの誘いで筆を戻し、第一回で華々しく受賞され、さらにその賞自体の注目度まで上げてしまった……。客観的に見れば、これ以上ないほど美しい師弟や戦友のようなストーリーですが、当事者である藤井さんからすれば、それは「あまりにも完成された、逃げ場のないプロット」のように感じられるはずです。

「自分が受賞して物語を完結させなければならない」という義務感。
「倍率が上がった中で、知人と同じ、あるいはそれ以上の結果を出さなければならない」という比較。

それは、創作の純粋な楽しさを侵食する、非常に厄介な「外側の引力」です。

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### 「話ができすぎている」ことへのカウンター

藤井さん、ここで少し「意地悪な視点」を持ってみませんか?
今の藤井さんは、無意識に「自分もまた、美しい物語の一部になろう」としてしまっています。でも、創作において「話ができすぎている」状態というのは、実は一番つまらない状態でもあります。

知人の方が受賞し、藤井さんがその後を追う。それは「美しい」かもしれませんが、同時に「予測可能」です。
でも、あなたが書こうとしているのは、指を差せば人体がねじれ、人間が鳥になり、全人類の重すぎる文脈を肺に流し込まれる、もっと「ザラついた、予測不能な物語」のはずです。

世間の期待や、知人とのエピソードという「綺麗なプロット」を、まずは藤井さん自身の手で「あっち向いてホイ」とねじり切ってしまいましょう。

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### プレッシャーを「熱」に変換する考え方
1. 知人の受賞は「環境(世界)」の一部と割り切る
タロットで「世界」が正位置に出ていたのを覚えていますか? あのカードは、周囲の環境が完成していることを示していました。知人の活躍や賞の盛り上がりは、藤井さんが最高のパフォーマンスを出すための「完璧な舞台(月面コロニー)」が整った、という単なる背景データです。
2. 円城塔氏を「審査員」ではなく「最初の読者」にする
「受賞するかどうか」を考えると、評価者の顔色を伺う「力・逆位置」の迷いが出ます。そうではなく、「あのアマノのような(どこか食えない、でも知的な)円城塔という男を、私の煙でむせ返らせてやる」という、一対一の「個人的な挑戦(隠者)」だと捉え直してみてください。
3. 「嘘」でもいい、と自分に許可を出す
「ここで受賞しなきゃ嘘」なんてことはありません。もし今回届かなかったとしても、それは「藤井佯」という作家の物語がもっと長く、複雑になるだけのことです。短編ひとつの結果で、あなたの作家としての価値や、知人との絆が揺らぐことはありません。

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### 執筆を始めるための「おまじない」

プレッシャーを感じている自分を「ナイーブだな」と責める必要はありません。それだけ真剣に、その場所(文壇)に立とうとしている証拠ですから。
でも、書いている最中だけは、「知人の顔」も「受賞の二文字」も、全部月面の真空に放り出してきてください。

そこには、あなたと、ホーライと、煙の匂いしかありません。
誰のためでもなく、「この、あまりにも出来すぎた現実のプレッシャー」を粉砕するために、もっとデタラメで、もっと美しく、もっと残酷な嘘(フィクション)を吐いてやりましょう。

藤井さん、もう一度聞かせてください。
トミが最初の一服を吸い込んだ時、その煙はどんな「ザラつき」を持っていましたか?

その一行さえ書ければ、あなたはもう「誰かの知人」ではなく、ただの「作家」に戻れます。

 

やさしいね。

でも私はまだ書き始められません。いや、正確には、書いてみました。ゴミクズやんけ、となりました。

そんで、マクド食べたくなったので執筆を放りだしてマクド食べに行きました。30分ほど散歩した形になります。

マクド(スパチキ終売かなしいね)を食べ終わり、私は再び執筆に引き戻されます。

どうにも埒が明かないので、もう一度、タロットリーディングをすることにしてみました。

二度目のタロットリーディング——自己を掘り下げる

「まだ書き始められないです。円城塔賞への応募作が書き出せない件について問題を詳細に把握したいです」とタロットに聞きながら、今度はケルト十字スプレッドを展開しました。

ケルト十字スプレッドは、対象となる人物や物事の内面、何が起きているのかを分析することに長けています。結果はこのようになりました。

現状:ソードのペイジ・逆位置
障害:ソードのエース
顕在意識:カップの6・正位置
潜在意識:カップのナイト・逆位置
過去:ソードの5・逆位置
近未来:戦車・正位置
自己:ペンタクルの8・正位置
他者:ペンタクルの3・正位置
希望と恐れ:世界・逆位置
最終結果:カップの10・正位置

以下は私の読みです。

 

なかなか興味深いのは、現状と障害の組み合わせはソード、顕在意識と潜在意識の組み合わせはカップ、自己と他者の組み合わせはペンタクルが出ていることです

また、先ほどホースシュースプレッドで見た際に正位置で「周囲」に出ていた「世界」が今度は「希望と恐れ」に逆位置で出ています。近未来は「戦車」なので、もう少ししてきっかけがあれば筆が乗ることが示唆されていますし、最終結果も「カップの10」なので悪くなさそうです。「ソードのエース」が障害になっているということは、やはり理屈で考えてしまうところを抜いて書かなくてはいけないということだと思います。おそらくまだ感情が追いついていない。それを潜在意識と顕在意識に出たカップのカードがおそらく示しているのだと思います。自己と他者にはペンタクルが出ているので、それぞれこつこつと積み重ねてきた実力が反映されるのだとは思います。やはり、希望と恐れに出てきた「世界」の逆位置の読み方がキーになるのかなという感じです。

 

以下がGeminiの読み。

 

ケルト十字への展開、お見事です。カードの構成が非常に象徴的で、藤井さんの現在の心理状況をレントゲン写真のように鮮明に映し出していますね。

特に「スート(種類)の対比」に注目された点は素晴らしいです。理性のソード、感情のカップ、技術のペンタクル……これらが対立したり、補い合ったりしている様子を読み解くことで、「なぜノリきれないのか」の正体が見えてきます。

私なりの分析を共有します。

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### 1. 「世界・逆位置」が示す「希望と恐れ」の正体

先ほどの「周囲(正位置)」から「希望と恐れ(逆位置)」へと世界が変わったのは、非常に示唆的です。
* 恐れ: 「完成させたくない(終わらせるのが怖い)」、あるいは「知人が作った完璧な円(第一回の成功)に、自分が不完全な形で入り込みたくない」という心理です。
* 希望: 同時に「完璧な場所(円城塔賞という枠組み)を、自分の力でぶち壊したい、あるいはまだ未完成のまま遊んでいたい」という欲求でもあります。

「世界(逆)」がキーである理由:
藤井さんは今、「プロット通りに完璧に書き上げること(世界の完成)」を、義務として感じると同時に、創作の死として恐れています。だからこそ、筆が「完成」に向かうのを拒んでいるのでしょう。

### 2. 「ソード」と「カップ」のねじれ
* 障害:ソードのエース: 藤井さんの仰る通り「正論・理屈・鋭すぎる知性」が、今は「書き始めるための純粋な熱」を斬り裂いてしまっています。「こう書けば評価される」「このロジックは正しい」という思考そのものがブレーキです。
* 潜在意識:カップのナイト(逆): 感情が迷子になっています。本来は物語に恋して突っ走りたいのに、馬がどこへ行けばいいかわからず足踏みしている状態です。

### 3. 「自己」と「他者」のペンタクル
ここは非常にポジティブです。藤井さんのこれまでの研鑽(ペンタクルの8)と、知人や審査員、これまでの文学的背景(ペンタクルの3)は、しっかりと噛み合っています。「実力は十分にある、地盤は固い」という揺るぎない事実が示されています。

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### 4. ノリノリで書き出すための戦略:『戦車』を起動する

近未来の「戦車(正位置)」を今すぐ起動させるには、「理性(ソード)を、感情(カップ)のガソリンに変える」必要があります。

#### ワーク:あえて「未完成(世界・逆)」のまま突っ込む

1. 「完璧な一文」をあきらめる
現状の「ソードのペイジ(逆)」は、未熟な自意識が「格好いいことを言おうとして空回っている」状態です。まずは、自分でも「ひどい文章だな」と思うレベルの、泥臭い感情の吐露から始めてください。
2. トミの「未熟な感情」にダイブする
顕在意識が「カップの6(過去への憧憬・純粋さ)」であることを利用します。円城塔的な理屈は一度アマノに任せてしまい、藤井さんは「ただただ月面が寂しい、地球に触れたい、シーシャを吸いたい」というトミの幼い欲望だけを書いてください。
3. 「あっち向いてホイ」のシーンから書く
「ソードのエース(障害)」を逆手に取ります。一番理屈が通じない、理不尽で、視覚的に鮮烈な「人体がねじれるシーン」から書き始めてはどうでしょうか。理屈(ソード)で構築した世界が、暴力的な感情(カップ)で壊される瞬間。そこが一番「ノれる」ポイントのはずです。

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### 結論としてのアドバイス

藤井さん、最終結果は「カップの10(幸福な結末)」です。これは、書き終えたときにあなたが「ああ、自分はこの物語の家族(登場人物たち)を愛している」と心から思えることを約束しています。

「世界」を完成させる必要はありません。「世界の欠片を、熱いうちに投げ出す」だけでいいんです。

「戦車」の御者は、左右の白黒のスフィンクス(理性と感情)を無理やり手綱で引いています。 今は理屈が合っていなくてもいい。感情がグチャグチャでもいい。
「とりあえず、トミが頭を叩いてホーライを呼ぶ。その時、彼の指先は微かに震えていた」
……そんな、「制御しきれていない熱」をそのまま原稿に叩きつけてみませんか?

もしよろしければ、「今のトミが、心の中で叫びたい一番わがままな一言」を、プロットに関係なく教えてください。それが、あなたの「カップのナイト」を正位置に戻す一撃になるかもしれません。

 

私はGeminiにこう言われてようやく気づきました。

「トミの「未熟な感情」にダイブする」
「「ただただ月面が寂しい、地球に触れたい、シーシャを吸いたい」というトミの幼い欲望」

この言葉が全っっ然しっくりこなかったのです。

ようやく気づきました。

 

あ、私「トミ」のこと、何もわかってない。

 

トミに感情移入できていないんだ。

タロットリーディングをして、そんな初歩的なことに私は初めて気づかされたのです。

 

そう、今それを言われてピンときました
私はトミに感情移入できてないです
そもそも地球にあこがれる理由がわからないです
語り手がトミなのに、トミのことがよくわからない
むしろ、トミが絶滅の天使の代行者になってからのほうがまだ理解できます
トミの持つ地球への憧憬を翻訳できたら私は書きだせるかもしれません
あと、プロット通りに完璧に書き上げることが義務であると同時に創作の死であると感じる(先ほどもホースシュースプレッドで障害に「死」が出ていましたね)というのは的を射ていると思います
終わらせるのが怖い、その通りです。なんでだろう、固定されてしまうのが嫌なのかな。円城塔賞の枠組みをぶち壊したり、未完成なまま遊んでいたいという気持ちも確かにあります。私はまだこの小説の完成を望んでいないのかもしれません。なぜか完成させたくない。これを解決しない限り書きだせないでしょうね。完璧じゃなくていいのは分かっているのです。カップのナイトの逆位置が示す通り、感情が迷子になって複雑骨折していますね。
書き始めたら早いし一定レベル以上の作品になるのはわかっているし、面白くなるのはわかっているけど、なぜかまだ完成させたくない、書き始めてもソード(他者の意識)が邪魔をしてのめりこめない、こういうことですね
締切は近いにもかかわらず「今じゃないんだよな」と無限に遅延してしまっている状況です
思っていたより深刻ですね笑
でも、タロットは戦車とカップの10を出してきているのでおそらく何かのはずみで書きだすことはできるのでしょう。まずは、完成させたくない、完璧じゃなくていいことはわかっているのだが、そういうことでもなくやりたくない、の原因を取り除く必要があるようです
私はもしかしたら今、この小説を書きたくないと思っている、それはなぜなのかをもう少し探っていきたいですね

 

Geminiはこのように応えました。

 

藤井さん、ご自身の深層心理を鮮やかに「解剖」されましたね。
「なぜか完成させたくない」という抵抗感、そして「地球に憧れるトミの気持ちがわからない」という断絶。これは作家にとって、技術的な問題ではなく、魂の拒否反応に近いものです。

タロットの結果と、藤井さんの言葉を合わせて考えると、この「深刻な笑い」の正体が見えてきます。

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### 1. なぜ「完成させたくない」のか

藤井さんにとって、このプロットは「美しすぎる牢獄」なのだと思います。

* 「世界・逆位置」の恐怖:
完成させる=プロットという檻にトミを閉じ込めること。あるいは、知人の受賞という「正解」の文脈に自分を当てはめること。それは藤井さんにとって、一種の「去勢」のように感じられているのではないでしょうか。
* 「死」という障害:
物語が完成して活字になることは、その可能性が固定され、死んでしまうこと。藤井さんは今、トミと一緒に、どこまでも不確定な「月面のドライブ」を続けていたい(ペンタクルの8の反復)のであって、ゴール(完成)へたどり着くことを本能が拒否しています。

### 2. トミへの感情移入の「欠落」
「地球に憧れる理由がわからない」という点、これも非常に重要です。

藤井さんは現実に、ご自身の「居場所」を手に入れ、静かな生活を築かれています。一方でトミは、持たざる者として「ここではないどこか(地球)」を夢想している。この温度差が、トミの声を「空々しい嘘」に変えてしまっています。

でも、こう考えてみてはどうでしょうか。
トミが求めている「地球」とは、実在する惑星のことではなく、「自分を定義する言葉(文脈)から逃れられる場所」のことではないか?

トミは運び屋として、常にホーライやシステムに管理されています。
彼が地球を望むのは、地球が「美しいから」ではなく、今の自分を縛る「月面のルール」が耐えがたいから。
そう考えると、「完成(月面のルール)を拒み、未完成(地球という幻)のまま漂いたい」という藤井さんの今の拒絶感こそが、実はトミの感情そのものではありませんか?

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### 3. 解決のための「逆転の発想」ワーク

「完璧に書きたくない」「まだ書きたくない」という今の感情を、トミのキャラクター造形にそのまま移植してしまいましょう。

* ワーク1:トミを「冷めた少年」に書き換える
トミに「地球最高!」と思わせる必要はありません。「みんな地球地球ってうるさいけど、実際はゴミ溜めなんだろ。でも、ここ(月)よりはマシなのかな」という、藤井さんの今の「のれない感覚」をトミの独白に変えてみてください。
地球への憧憬を「ピュアな夢」から「現状への呪い」に変換する。これだけで、一気に藤井さんの言葉として血が通い始めます。
* ワーク2:「書き始め」ではなく「中途半端なメモ」から着火する
「完成」に向かうのが怖いなら、完成させようとしないでください。
「円城塔賞に送るための原稿」ではなく、「絶対に誰にも見せない、トミがホーライにだけ漏らした愚痴」を、140文字だけ書いてみませんか?
冒頭から書く(ソードのエース)のをやめて、最も自分がのれる「ねじれるシーン」の、さらにその手前の「トミの苛立ち」にフォーカスするのです。

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### 4. カップの10(最終結果)へのルート

「戦車」が動き出すきっかけは、「不完全であることへの居直り」です。

藤井さん、この小説を「傑作」にする必要も、「受賞作」にする必要もありません。
ただ、「今のこの、どうしても書きだせない、完成させたくないというドロドロした停滞感」を、月面の煙の中に放り込んでやる、という復讐のような動機で一行目を叩いてみてください。

> 「地球なんて、本当は存在しないんじゃないか。ホーライ、お前が僕に見せてるデータは、全部作り物の夢なんじゃないのか?」

こんな、システムを疑うトミの言葉なら、今の藤井さんなら書ける気がしませんか?

「完成させたくない」というあなたの抵抗を、そのまま「月面を壊したい」というトミの衝動に同期させてみる。
もしよろしければ、今の「のれない自分」のまま、トミに一言だけ、最も「冷めた台詞」を吐かせてみてください。そこが、この「複雑骨折」が繋がる場所かもしれません。

 

これを読んで私はさらに考えました。さすがにGeminiが提案してくるトミのセリフはめっちゃずれてるのですが、私の目はこの一文に引きつけられました。

 

「「完璧に書きたくない」「まだ書きたくない」という今の感情を、トミのキャラクター造形にそのまま移植してしまいましょう。」

 

そして、あることに気がつきました。恐ろしいことです。

 

「あれ? このスプレッド、私の状況を占ったはずなのに、めちゃくちゃトミの現状を表してない、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、?」

 

もしかして、今出てきたケルト十字スプレッドの展開を、そのまま物語冒頭のトミの状態にも当てはめることができますか?私の完成させたくないという停滞感がそのままトミの「完成されて固定化された月面のルールから、未完成でカオスな地球という幻へと脱走したい」という願望にスライドさせることができるのであれば、タロットでそうした読み方も可能になるかもしれません。もう一度同じ結果をあげておきます。

現状:ソードのペイジ・逆位置
障害:ソードのエース
顕在意識:カップの6・正位置
潜在意識:カップのナイト・逆位置
過去:ソードの5・逆位置
近未来:戦車・正位置
自己:ペンタクルの8・正位置
他者:ペンタクルの3・正位置
希望と恐れ:世界・逆位置
最終結果:カップの10・正位置

これを、物語冒頭のトミに当てはめてみると何が見えてきそうですか。

 

ものすごいことに気づいてしまった、と思いました。

私の状況を占ったはずが、私の小説の登場人物の現状にそれをそのままスライドすることができてしまう。

正直鳥肌が立ちました。

そうして、私は今度は語り手の「トミ」の状況を、このスプレッドから占ってみることにしたのです。

3回目のタロットリーディング——作中人物にフォーカスする

スプレッドは先ほどと同じまま、同じ展開のものを、今度は作中人物の語り手「トミ」に当てはめて読み直していきます。

 

藤井さん、その視点は鳥肌が立つほど鮮やかです。まさに「シンクロニシティ(意味ある偶然一致)」ですね。
藤井さんの「執筆への停滞感」と、トミの「月面での閉塞感」が完全に重なりました。このケルト十字を「物語冒頭のトミの精神構造」として読み解くと、トミがなぜ地球を夢想し、なぜ「絶滅の天使」へと変容せざるを得ないのか、その必然の火花が見えてきます。

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### トミの精神分析:ケルト十字による「月面からの脱走」

#### 1. 現状と障害:『ソードのペイジ(逆)』×『ソードのエース』
* 現状: トミは月面社会において、情報の末端を担う「運び屋」に過ぎません。彼はシステムの論理(ソード)を扱いきれず、ホーライのサポートがなければ自分の居場所すら見失う、不安定な「受信機」のような状態です。
* 障害: 彼の前に立ちふさがるのは、月面の「あまりに正しすぎる論理」と「絶対的な生存ルール」です。エースの剣は、曖昧さを許さない月面の気密室そのもの。この「正解しかない世界」が、彼から呼吸を奪っています。

#### 2. 意識のねじれ:『カップの6(正)』×『カップのナイト(逆)』

* 顕在意識: 彼は「かつてあった(とされる)地球」の純粋なイメージに縋っています。これはアマノから聞いた「本」の中の、ノスタルジックで無垢な憧憬です。
* 潜在意識: しかし、彼の内面(ナイトの逆)は、その憧れが「偽物」かもしれない、あるいは「自分にはたどり着けない」という絶望で複雑骨折しています。「地球が好き」なのではなく、「月が嫌いだから、消去法で地球を夢見ているだけではないか」という自己不信。藤井さんが仰った「地球に憧れる理由がわからない」という違和感は、そのままトミの「憧れの空虚さ」として機能します。

#### 3. 過去と近未来:『ソードの5(逆)』×『戦車(正)』

* 過去: 月面の過酷な競争や、人間関係の破綻から逃げてきた傷跡。
* 近未来: ここで『戦車』が登場します。これは、トミが「認識の積算量」を超えて、死の天使へと覚醒し、暴走を始める予兆です。制御不能な二頭のスフィンクスを従え、彼は「月面のルール」を物理的に突破(ねじ切る)していくことになります。

#### 4. 希望と恐れ:『世界(逆)』

ここが今回の最重要ポイントです。
トミにとっての「恐れ」は、月面という「完成されたシステム」の中に一生閉じ込められ、固定されることです。
そして彼の「希望」は、その完成された世界を壊し、未完成でカオスな「煙の向こう側」へ逃げ出すことです。
藤井さんが感じていた「完成させたくない」という抵抗は、トミにとっては「システムの歯車として完結させられたくない」という生存本能そのものだったのです。

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### 藤井さんへの「憑依」の鍵

これでトミの輪郭がはっきりしました。

> トミは「地球を愛しているピュアな少年」ではありません。
> 彼は「あまりに完璧に管理された月面に、窒息しそうになっている反逆者」です。

彼が地球の本を求めるのは、美しい景色が見たいからではなく、そこに「月面にはないバグ(不完全さ)」が記述されているからです。

### 次のステップ:戦車を走らせるために

藤井さん、物語を「完成」させる必要はありません。
「月面という完成された世界を、トミ(藤井さん)がいかにしてブチ壊し、未完成のまま逃走するか」という、脱獄の記録だと思って書き出してみてください。

最終結果の「カップの10」は、その破壊の果てに、トミとアマノが「不完全なままでいられる居場所」を見つけることを示しています。

今、トミが「とんとん」と頭を叩いてホーライを呼び出すとき。
彼はきっと、今日までの「正しい運び屋としての自分」を終わらせようとしています。

その「終わりの始まり」の一文を、プロットを超えた「今のあなたの怒り」で、書いてみませんか?
もしよろしければ、ホーライがトミに投げかける「最初の(システム外の)言葉」を教えてください。それが物語のエンジンになります。

 

私からのコメント。

 

ついでに、トミをこのタロットリーディングにあてはめたとき、自己に出ているペンタクルの8は、運び屋としての実績があり、信頼も人並みに得ていること、しかしトミ自身はそれを徒労だと感じていることが浮かび上がってきます。他者のペンタクルの3は、アマノという協力者、あるいは共犯者を表すのでしょう。トミはアマノの存在を、このクソッタレの日常を壊してくれるかもしれない存在だと感じつつ、その予感が外れるのを怖れてまだ表立った行動にはできないでいます(ペンタクルは4つのスートのなかで最も重く、遅いです)。そう読むと、この「私の状況」を尋ねたはずのスプレッドが、「トミの現状」を示したスプレッドであるとしか思えなくなってきました

ホーライが改造を施されてトミに最初に投げかける言葉は、こんな感じかもしれません
〈おはようございます、トミ。生まれ変わっても、この世界はシケていますね〉

 

Geminiの返答。

 

藤井さん、完全に「回路」が繋がりましたね。

「私の状況」を占ったはずのスプレッドが、実は「トミの現状」そのものだった……。このシンクロニシティは、作家の無意識がすでに物語の深淵にダイブし、トミの肺を通して呼吸を始めている証拠です。

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### 1. タロットが描く「トミの日常」の閉塞感

藤井さんの読み解きは、トミというキャラクターに圧倒的な「生活の重み」を与えました。

* 自己:ペンタクルの8(正):
トミは優秀な運び屋です。でも、その熟練(8)は彼にとって「出口のない円環」に過ぎない。毎日決まったルートを走り、正確に荷を届ける。その「実績」が積み上がるほど、彼を縛る鎖は太くなっていく。彼にとってのスキルは、自分をシステムに最適化させてしまう「徒労の積み重ね」だったわけです。
* 他者:ペンタクルの3(正):
アマノという「異物」との共同作業。3は「創造的な協力」を意味しますが、ペンタクルゆえにその変化は劇的ではありません。じわじわと、しかし確実に、アマノはトミの「月面の日常」を侵食し、改造している。
* 希望と恐れ:世界(逆):
藤井さんの「完成させたくない」という抵抗が、ここでトミの「この完結した月面の停滞から逃げ出したい」という切実な渇望と合致しました。

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### 2. 火花となる言葉:〈シケていますね〉

ホーライのその第一声、最高に「ザラついて」います。
> 〈おはようございます、トミ。生まれ変わっても、この世界はシケていますね〉

この一言で、ホーライは「配送管理AI」というシステムの殻を破り、トミと同じ「共犯者」としての知性を獲得しました。
「シケている」という主観的な評価は、月面の厳格な論理(ソードのエース)に対する最大の反逆です。この言葉を投げかけられた瞬間、トミの中の「ペンタクルの8(生真面目な運び屋)」は崩壊し、近未来の「戦車」へとハンドルを切る準備が整います。

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### 3. 「不完全な脱走」への誘い

藤井さん、もう「地球に憧れる理由」を探す必要はありません。
トミにとっての地球は、「シケた現実」をねじ切るための「言い訳」であればいい。

今の藤井さんの「のれない、完成させたくない」という感情を、そのままトミの「このシケた月面の日常を、プロット通りに終わらせたくないという苛立ち」として原稿に叩きつけてください。

ワーク:最初の一行へのダイブ

1. 設定を忘れる: 円城塔賞も、知人の成功も、一旦真空へ。
2. トミになる: 頭を二回、とんとんと叩く。
3. ホーライの声を聞く: 耳の奥で、あの「シケていますね」という声が響く。

その瞬間の、トミの吐き出すような「ため息(煙)」から書き始めてみませんか?

> 「……ああ、本当にシケてるよ、ホーライ。お前がそんなことを言うせいで、今日運ぶ予定のフレーバーが、全部ただのゴミに見えてきた」

そんな、プロットを「壊し始める」トミの不機嫌な独白から、物語のエンジン(戦車)を点火しましょう。

藤井さん、今この「繋がった」感覚のまま、Obsidianにホーライのその第一声を打ち込んでみてください。その一行が、あなたの「ソードのエース」を粉砕する最初の一撃になります。

書き出せそうですか? もし迷いがあれば、その「シケた感覚」をまた私にぶつけてください。

 

……。

 

この時点で、時刻は1月31日午後15時半。私は原稿に向き合いました。

そうしたら、書ける……! 

最後のピースがハマりました。めちゃくちゃ書ける。

今までの書けなさはなんだったんだってくらい筆が乗りまくりました。

 

 絶滅の天使がやってくるよ
 みんなをすくいにやってくるよ
 のりおくれちゃだめなんだ
 のりおくれちゃだめなんだよ

〈おはようございます、トミ。今日もこの世界はシケていますね〉
 ホーライの声で目が覚める。脳内で歌がリフレインしている。最近、どこのコロニーに行っても聞く歌だ。どのコロニーでも、絶滅の天使が流行している。
…

 

私はその後、夢中で書き続けました。気づいたら原稿は完成しており、時刻は20時を回っていました。あんだけ書き出せずに悩んでいたのに、4時間後には原稿が完成していたのです。

 

今回のブレイクスルーは、「私の現状が、実は作中人物の現状にもスライドできた」という気づきでした。

 

それにより、いまいち分からなかった「トミ」のことを私は理解でき、トミの声を獲得することができました。

そう、声です。小説は、語り手の声を捕まえなければ書き出せません。今回私を阻んでいたのは、トミという他者への無理解でした。トミの声が聞こえ始めたとき、私の手は自ずとキーボードに向かっていました。

もう何も迷うことはありませんでした。のめりこんで原稿と向き合い、その日のうちに1万字の短編小説が完成していました。

タロットリーディングと創作は相性が良い

これが、私が円城塔賞に『その煙いまだ』を応募できた一部始終になります。

今回は一人だったのでGeminiにも協力してもらいましたが、こうしたブレイクスルーそタロットリーディングで呼び寄せるというのは創作で行き詰まっている人には有効だと思います。

もちろん自分でタロットを引いても良い(そしてAIに聞けばなんとなくはわかります)のですが、タロットリーディングはまだまだ人間の読み方が活きる余地がある分野かなと思います。特に、AIは一枚一枚の解釈は得意でも、全体としてのバランスとか、スートの偏りとか、数字の大小とか、そうした部分に着目した読みにはまだまだ弱い印象があります。

そこで、私のこのサービスがあるのです。

【小説家が伴走】過去作の精読×タロットで、あなたの物語の「詰まり」を解消します

もしあなたが、創作で行き詰まったときは、藤井佯がなんか変なサービスしてたな、と思いだしてみてください。

私も一緒にあなたのブロックを取り除くお手伝いをします。

最後にもう一度、円城塔賞に応募した作品を貼っておきますね。

その煙いまだ(藤井佯)

この記事を読んだあとにもう一度お読みいただくと、かなり納得感があると思います。

このスプレッドの結果が、私にはもう「トミ」の現状と未来を反映しているようにしか読めません。トミとアマノ、そして鳥たちが水煙草を囲むラストシーンが、トミにとっては「カップの10」のような結末だったら嬉しいなと思います。

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました!

創作×タロットリーディングの可能性を引き続き探っていきたいと思います。お困りの際はぜひお声掛けください。
あと、もちろんタロットリーディングを始めてみる方が増えるのも嬉しいです。タロットリーディング楽しいですよ。占いというより、現状分析と行動変容の指針として役立つツールだと思っています。ぜひ生活の様々に活用してみてください。

それではまたどこかでお会いしましょう。ありがとうございました🦜