神話を持たぬ鳥は存在しない
2024-05-15Works,公募小説,幻想と怪奇SSコン
「お客さまお見えになりました」 わたしが案内すると先生は「はい、準備万端です」と返事した。雨上がりの中華街はまだ煙っていて、隣の店からはふわりとお香の匂いが漂ってくる。ごみごみとした路地の突き当たり、この占い処に在籍するのは ...
記事を読む 鳥を握る
2023-04-08Works,公募小説,幻想と怪奇SSコン
黄金の草叢を二つの影が横切ってゆく。老人と、その後ろに少女。老人は右腕を掲げながら進む。その手には羽根が握られていた。それは、吸い込まれそうなほど深い青色をしている。二人が通り過ぎたあとには一本の線が引かれた。上から赤・橙・黄・緑・ ...
記事を読む 虹描く羽根