Works,公募小説,幻想と怪奇SSコン

「お客さまお見えになりました」
 わたしが案内すると先生は「はい、準備万端です」と返事した。雨上がりの中華街はまだ煙っていて、隣の店からはふわりとお香の匂いが漂ってくる。ごみごみとした路地の突き当たり、この占い処に在籍するのは ...

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 黄金の草叢を二つの影が横切ってゆく。老人と、その後ろに少女。老人は右腕を掲げながら進む。その手には羽根が握られていた。それは、吸い込まれそうなほど深い青色をしている。二人が通り過ぎたあとには一本の線が引かれた。上から赤・橙・黄・緑・ ...