Works,公募いなか、の、じけん賞,公募,小説

 二◯二一年五月二十六日。私は夜な夜な家を出て、街灯の少ない小町大路をそろそろと歩き始めました。夏の気配がほんのり香る涼しい夜でした。小町大路を真っ直ぐ行けば材木座海岸に辿り着きます。風の強い日は潮の香りが陸まで盛り上がってきて、そこ ...