Works,公募かぐやSF,公募,小説

 発端は第99回鳥人間コンテストだった。当時わたしは東京万能大学飛行部の学生で、その日はわたしの人生で一番の大舞台となるはずだった。わたしはパイロットだった。仲間たちと力を合わせ作り上げた機体、その翼とともに天を翔ける権利を得た唯一の ...

Works,公募公募,小説,文藝賞短篇部門

「メインターゲットは二十代から三十代の女性、カップル、ファミリー、羽田匠ファン、M♡N(モノ)Φの藍川芽乃ファン、ラブコメ好き、原作ファン。サブターゲットは森川信介ファンの四十代から五十代、コアな映画ファン、流行に乗りたい新しいもの好 ...

Works,公募コバルト短編小説新人賞,公募,小説

 飛沫があがり、子どもたちがこちらへ向かってくる。ストン、ストンと次々にプールへ飛び降りて、ゴーグルをかける。私が合図に手をパンと鳴らすと、子どもが壁を蹴ってスタートする。バシャバシャと威勢がいい。バタ足で十五メートル。それを三本。こ ...

Works,

線路に西瓜の立ち並ぶ事、
泥濘となって引き摺られる
電車は倒木のようにからっとしている

種が弾ける
向日葵の番ばんの眠る間まに渡る
新課程の体操で換装する

白目がちな犬だ! 自動 ...

Works,

スイカが配られる、カモメも飛んでいるよ、卵からちゅっと栄養ゼリーを抜き取りました、パパ・ママ・せんせ、抜き取り明神、ミルクティーの香りが支配するよ、だれもかれもKの字になって眠っています、MILKKKKKKKKKKKKKKKKKKTE ...

Works,胎界主短歌,胎界主

親切なお兄さんへ

亡くし屋と人はこう呼ぶただ彼を恩人ならばただバイバイと

その黒は幽寂の黒 致死の黒 やさしいひとのやわらかい黒

凡小が昏がりに乞う(まだいたの)列車はとうに俺を残して ...

Works,

脱ぬぎ捨すてられたズボンがぷるぷる、床ゆかに積つまれた本ほんがぷるぷる、音おとだけでなく香かおりも指向性しこうせいを持もっているということ、香水こうすいはコンクリートになって、そこにつけられた鳥とりの足あしあと、ぷるぷると、古本ふるほ ...

Works,

電車から降りて目の前にいたおばさんが細いチェーンの小さな鞄を肩からさげて黒い薄手の甚平を着て髪は三つ編みを長い輪ゴムで複雑に留めていた、顔は見えなかったが化粧が汗で浮いていた
図書館で貸出を受け付けてくれた図書館司書の女性の腕 ...

Works,

かかった右足
両翼をばたつかせどうにかしようとする 鴨
血を覚えた芝刈り機が匍匐をやめない
しばし切り株に横たえられる

返った眼界
左足をさまよわせどうにかしようとする 鴨
羽を得た ...

Works,

ブラジルの音楽ですよ
アンティもいます
嵐かと思いました
耳栓を複製しました
蟹は蕎麦を食べるそうです
小鷺とコイン精米所です
精神科病院で流れる香りです
オーディオテクニカみた ...