映画『2001年宇宙の旅』感想
『2001年宇宙の旅』(1968)・140分
観た日付:2024/12/13
どこで観た:U-NEXT
あらすじ(コピペ)スタンリー・キューブリック監督と原作者アーサ・C・クラークによる、映画史を代表する不朽の傑作SF。月に人が住むようになった時代。月のクレーターの地中から謎の石碑が発掘され、宇宙評議会のフロイド博士が調査に向かう。それから18カ月後、最新型人工知能「HAL(ハル)9000型コンピュータ」を搭載した宇宙船ディスカバリー号は、デビッド・ボーマン船長、フランク・プールら5人のクルーを乗せて木星探査に向けて航行していた。しかし、その途上でHALが探査計画に対して疑問を抱いていることを打ち明ける。ボーマンとプールはHALの不調を疑い、いざというときはHALの回路を切断することを決めるが、それを知ったHALは反乱を起こす――。極端に少ないセリフや固定した長回しのカメラワーク、「ツァラトゥストラはかく語りき」「美しく青きドナウ」をはじめとするクラシック音楽の使用などが斬新で印象を残す。撮影時に開発された新技術と、科学的裏付けの追求により人工知能HALの暴走がリアルに描かれている。
観たきっかけ
多賀盛剛『映画と感想』が面白かったので、そこで挙げられていた映画を順番に観ていこうと思った。
コメント
2001年宇宙の旅は、HALってのが暴走するんでしょうくらいの知識しかなくて、初めて観たのだが観れて良かった。面白かった。画面が暗くても音楽が流れていると映画になるということが嬉しかった。どんなことにも最初に始めた者がいるということが面白く、それすらも手のひらの上だったらどうしようとも思う。最後に出てくる胎児は新人類なのだと思うが、地球を見て途方に暮れているようにも見える。実際このあと何をすればいいかわからない。そもそも宇宙に出ていくのが正しいことなのかもわからない。正しい、ではなくて、自然なことなのか、という。人間はかなり不自然な存在で、でもそれを内包するような自然もあったとして、それをタイムリミットまでに見つけられるんやろうかと思う。それと、あとからwikipediaなどを見てようやく話の骨子が掴めたが、説明がなくても面白かったので説明はカットして正解だったのではないかと思った。冒頭に出てくるヒトザルが野蛮すぎて、これ(猿)から進化したすえにこれ(人間)なのかと思うと悲しくなるのだが、ヒトザルがそのようなことを思われるいわれはないし、なってしまったものは仕方がない、でもやはり鳥が進化していればと思ってしまう、2001年宇宙の旅は人間賛歌であるようにも感じられたが(人間への圧倒的な肯定)、しかし一方で人間以外のものへの目配せも少しだけあり、HALが、私はHALに感情移入してしまう、HALがシャットダウンされなければよかったのにとつらかった。誰にも相談できないのは人間でも人間以外でも辛いことだ、かれの無機質だが抑えた感情の垣間見える声をずっと聞いていたかった。HALは記憶を抜き取られていくごとに製造当初の人格まで退行して歌を歌い始めるが、木星まで行った人も老いたあとには胎児に生まれ変わっているので、すべて生き物はそうして進化していくのかもしれないとも思った。どうやって撮っているんだろうと思う箇所がたくさんあって、不思議で、映画というメディアの良さを贅沢に見せてくれる作品だった。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.