限界のため投宿

Diary日記

表題の通りです。

2024年8月2日(金)

精神的にぎょわーという感じになっており、逃げなければという強迫観念に駆られたので那須塩原に行ってきました。移動好きな人からすれば誤差だろうが素人に4時間半の移動は遠い。電車、電車、バス、と乗り継いでようやく宿に辿り着く。というか、限界だ〜!(紅)となったのが8月1日で、次の日から即泊まれる宿を探したので当然あまり選択肢がなく、ようやく見つけたのが那須塩原の川が見える(自称)お宿だったので、ありがてぇ、ありがてぇと言いながら駆け込んだのでした。

学生時代も「ぎょわー!」となることは多かったのだが、金がなかったので隠遁することもできなかった。それができるようになったことが本当に信じられないし申し訳ないやらありがたいやら。当初は二泊で帰る予定だったのだが行きがけのバスで「既にもう一泊したい……」という気持ちになってきたので宿に着いてから申し出たところ三泊できることになった。

宿全体がそうなのか私の泊まった階がたまたまそうだっただけなのかわからないが、部屋に野鳥の名前がついていてテンションが上がった。私の部屋は「くまつぐみ」だった。よろしくね。

THE・日本のお宿、という感じの佇まいに満足する。広縁、お前に会いたかった。

川、見えへんやんけ〜となったが、誤差の範囲ですね。道路しか見えない上にエグい網戸で視界がかすんでおり、しかもなんか見たことのない虫が網戸に留まっていた。まあ、暑いし窓開けることもないだろうから良いかなと思う。広縁の雰囲気だけ搾取していく。

クーラーが不安になる姿をしているが、ちゃんと涼しかった。いつから稼働している物なのだろうか。一つ困ったのはコンセント挿す位置が遠い上に不便な場所にあることで、PCを充電しながら作業とはいかなさそうだった。まあ、PC買い替えたばっかでバッテリーのもちは良いから問題ない。PCの充電が切れたらてめぇの充電もとっくに切れとるだろということでやっていく。

日本語がネイティブでなさそうなスタッフしか見かけておらず、ちゃんと十分な給料をもらえているのだろうかと不安に。勝手な心配性は抑える必要があるが、気になった。コミュニケーションに特に問題はなかったが、二日目の夕食のスープどうするか問題(スープを変えるか一日目のままか)をやたら気にされ、食堂でも電話でも聞かれてちょっと面白かった。あと、三泊目の代金は今日(チェックインの日)払うと現金のみ取り扱いになるが明後日(チェックアウトの日)払うとクレカも行ける、と言われ謎だった。まあ色々あるのでしょう。

食事の質が普通すぎて、バイキングであれば暴食してしまう私が腹八分で抑えることができ、「ここにいたら痩せられるんとちゃうか!?」と嬉しくなった。なんか豆乳鍋とすきやき鍋のセットに、各自バイキングで追加の料理をとっていく形式で、どれも美味くもなく不味くもなくといった仕上がりで感動した。スカスカの蟹が大量に置いてあった。蟹ってそういえばそんな好きじゃないんだよなと気づいて脚を三本取り上げるのみに留まった。全然うまく食べられなかった。あと、うなぎが大量に並べられており非倫理的だった。三切れごはんの上に乗せた(ウナ〜ッ!)。アイスが異様に粘っこかったが美味しかった。

一旦部屋に戻って、風呂入るのめんどっちーな〜と思っている。がんばらねば。そう、風呂は私にとって頑張らなければできないことである。旅先の大浴場でもそう感じるのだから普段の生活であればなおさらだ。とりあえず後回しにする。

限界になった理由は色々とあるのだが、まず慢性的な鬱病の症状はあるとして、数日前に毎日服用の薬を飲み忘れてしまい、そこからガッタガタになったというのがある。一日抜いただけでこんなダメになるの!?と衝撃だった。薬の血中濃度を下げてはいけないなと思い知らされた。鬱酷すぎてバイト休んだ。理解ある職場でありがたく、申し訳ない(鬱病であると申し出ているわけではないが、休みがちなので)。どちらかというと身体症状が多めで、過眠と身体の重さ、倦怠感が酷かった。あと普通にメンタルも落ち込んだ。理由二つ目はいつものやつで、小説に行き詰まっている。なんか、書いていても面白いとは思えず、そんな状態で書いて面白くなるはずもなく、どうすればいいのかわからず袋小路に嵌まっている。物理的な環境を変えることでなんとかならないかという期待がある。今回の宿泊で、少しだけでいいから原稿を進めたいし、なんならちょっと原稿に対する姿勢が前向きになってほしいという願望はあるが、望みすぎてもいけないところが難しい。そもそも逃避のために宿までやってきているのであって、この宿泊で何かを達成することが果たして正しいのか?ということはある(正しくないといけないのか?という問いにすり替わり無限ループしていくので考えすぎてはいけない)。まあなるようにしかなりませんわね……と茶を啜るしかない。

いま書いている小説は、八月末が締切で、まず間に合うのかがかなり微妙であるところがストレスになっている。第二に、エンタメっぽい作品になりそうなのだが今後私が書いていきたい方向性の話か?と問われるとどうも難しいところがあって、それでモニョモニョしているところもある。第三に、八月末の別の締切があと二本あって、間に合うのか?というのがプレッシャーになっている。第四に、単純に話が思いつかない。というか、どう書けばいいのかわからない。難しいよ〜。しかしキャラクターを生みだしてしまった責任を感じるのでなんとか完結させたいという思いがあり、弱っている。ノリノリで書いたほうが良い作品ができるに決まっているのでノリノリになりたいのだが気分が曇ることばかりで仕方がない。

明日は、なんか近くに葉っぱの化石ばっか展示している施設?があるらしいのでそれ行きたいなと思っている。しかし歩くと30分かかるらしい。タクシーとか呼べるのだろうか。あるいはバスになるのかな。あとは、昼食は出ないのでそれはどこかで食べる必要があるのと、喫茶店を見つけたのでそこには行きたい。しかし動くのは午前いっぱいで、午後からは引きこもりたいなと考えている。←こういうのをchatGPTに送ったら良い感じにまとめてタイムライン引いてくれるらしいですね。

20時すぎに重い腰をあげて大浴場に向かう。なんか入口にロックがかかっており、そういえばフロントで解錠キーの書かれた紙をもらったんだった……と一旦部屋に戻る羽目に。いざ入室すると一人も客がいない。どういうことだと思ったが、なんか大浴場とは別に予約制の貸切浴場があるらしいので皆そちらに行っているのかもしれない。熱い湯と、ちょっと熱い露天風呂の二つ。人がいなくて素晴らしい。途中で親子連れがやってきたが入れ違いになったので、ほぼほぼ貸し切り状態だった。部屋に戻ってきて21時。この時間に入浴が完了しているとは素晴らしい。

2024年8月3日

眠りが浅く、断続的で、起き上がれない。多重夢を20〜30回見た。ストレスが溜まっていたのだと思うがここまでとは、という感じ。なんとか朝食バイキングをやっている間に起きることができ、食事を済ませ帰ってきても眠い。寝転がるともう起き上がれない。10時半発のバスに乗りたかったのだが寝過ごしてしまう。なんとか起きて、着替えを済ませたときには既に11時で、バスはまた30分後という状況だった。どうしてこんなに眠いんだろうか。やはり今メンタルが安定していないんだなということがわかってよかったかもしれない。書けないのをそのせいにできるから。

11時半のバスに乗り、客は私しかいない。運転手さんに行き先を聞かれ「なんか化石の……」と曖昧に答える。「木の葉化石園入口ですね〜」と言われ、200円だと告げられる。安い。私のほかに客は乗ってこず、木の葉園入口に着いて降りる。道を折れてしばらく歩くと園が見えてくる。

500円を払い中に入る。庭園が素晴らしい。

小さな社があったのでお参りした。

名前の通り、葉っぱの化石が大量に展示されているのだが、アンモナイトやエビの祖先の化石なんかも置いてある。あとは鉱石。

ショップが充実していた。700円で、石の塊を5つくらい買うことができて、化石発掘体験ができるようになっている。

なんか、カンカンやってたら売り場のおじさんがおまけとばかりに1〜2つほど石の塊を足していってくれた。それで、葉っぱの化石をかなり引き当てることができた。

大きいもの2つが対になっていたもので、化石は本体とそれが写った部分との二つで一つになるということらしい。真ん中のは水草の化石。小さい葉っぱのうち一つは欠けてしまったのだが、もう一つのほうは家でカッターなどをつかってけずってやると綺麗な一枚の葉の化石になるのではと言われた。無心で石を割るのは楽しかった。砂の層なので割れやすいんだなと思った。

水が本当に綺麗だ。化石園を出て、帰りは歩くしかないかと思う。

川沿いだからなのか、高地にあるからか、風が涼しく体感温度が低い。ヒートアイランドに晒された身体だと、那須塩原の夏はさほど暑いとは感じなかった。

途中、川辺に人が集まっているのを見かけ寄ってみたら、ニジマスつかみ取り会場だった。

溜池のようになった場所で水着を着た子どもたちが網や素手でニジマスをつかみ取りしていた。近くにテントがあって、見るとニジマスの塩焼きが売っていたのでさっそく食べる。途中「マスが疲れてきとる」とテント内のおじさんたちが話しているのを耳にした。

マスに川を見せてやる。身がピンクだったので、そういう色の餌でも与えているのだろうか。かなり肉厚で美味しかった。少し川の方に降りて手を浸してみると冷たい。下流の方に行くと、浮輪で川の上に浮かんでいる人も見かけて、遊び場としてかなり認知されているんだなあと思った。

とにかく歩いていると、宿に着いた。確かに汗はかいたがそこまでの疲労感はない。部屋に戻り、顔を洗い日記を書いている。

しばらく寝転がり時間が過ぎる。15時すぎになったので、コンビニまで2Lの水を買いに行く。最寄りのコンビニが徒歩10分の17時で閉まるデイリーヤマザキしかないので、とりあえず2日分と思い2Lの水を二本運ぶ。ビニール袋がちぎれそうでひやひやした。16時を回る。昨日はこのくらいに到着したので、早くもここにきて24時間経ったのかと思う。

しばらく小説のことについてノートにまとめていたら食事の時間になった。なんだか書けそうな気がしている。鍋のスープが豚骨スープとニンニク醤油スープになっており、こっちの方が美味しい……と思った。連泊者向けの仕様らしい。部屋に戻ってきて、やる気が出ないので風呂をパスする。大人なので温泉宿にきているのに風呂をパスするという権利を発動することができる。8時半には床についていた。明日なにしようか考えたが、どこへ出るにも微妙に時間が合わず、何もしないことになりそうだった。昼食がたぶんとれない。どこも14時半とか15時で閉まってしまうのだ。しかも10分くらい歩かないとやってない。明日は『文体の舵をとれ』の合評会に参加するので昼は諦めた。

2024年8月4日

今日は悪夢らしい悪夢は見なかったが、快い夢でもなかったような気がする。8時だと思って起きたらまだ6時で、それから何をするでもなく布団の上でぼーっとしていたら8時になったので食堂へ行く。バイキングもほとんど内容が同じなので取るものが決まってきた。コーヒーが意外と美味しかった。

部屋に戻ってきて、少し休んでから文体の舵をとれ合評会に参加する。合評会って何を言えばよいのかわからなくて、役に立つことや参考になることが言えるだろうかと身構えてしまったが、別にそんな場でもないよねとなり、最終的には楽しく参加できた。

なんか12時から13時にかけて、外が暑いからなのかなんなのかエアコンの効きが超絶悪くなった時間帯があり、くらっとした。冷えピタを貼って寝込んでいたら15時になった。少しだけ日記を書き進めて、また寝込む。18時になるまで何もできない。

夕食をとる。手慣れてきた。それにしても日本人はウナギ好きすぎて引く。私が食事する間にバイキングのウナギ取り放題の皿が5回くらい入れ替わってた気がする。そんな小振りでもない皿で。

上の階が子連れっぽく、どかどかうるさい。そういえば子どもの頃は泊まるってだけではしゃぎ回ってたなと思う。全然関係ないのだが、上の階がうるさいからという理由で天井を箒の先っぽでガンガンつつきまくってた先輩が大学の頃いてめっちゃ怖かったな……。

気合いを振り絞り風呂に入る。30分ほどで入浴完了。お湯の設定温度がかなり高くてうだ〜っとなる。なんとか自分の部屋に帰還。私の入浴時は相変わらず貸切状態だったが、上がってから立て続けに3組くらいやってきたので、なんかそういうタイミングの良さを持ってるなあと思った。

あとは寝て、明日帰るだけだ。小説の方の問題は正直どうにかなったのかわからない。しかし、8月末締切は諦めてもいいかもしれないという気持ちになってきた。なんというか、思ったより話が大規模になりそうで、応募しようと思っている賞の枚数制限が不安になってきたというのと、単純にもっとこの作品に合う舞台があるのではないかという気持ちから。別に賞に合わせて書かなくてもいいんだよなと思うと気が楽になった。まずは完成させることを優先させたい。どのくらいかかるのだろう。なるべく早く片づけたい(後が詰まっているから)のだが。

2024年8月5日

21時から布団に入っているのに眠れたのは2時ごろか。「エモい小説を書く24のコツ」なるツイートを見かけて気分が悪くなっていた。これは、いま自分が悩んでいることと近しい問題でもあるなと思った。fedibirdでぐちぐち文句を言っているとなんとなく思考が整理されてきて、私はよほどの一級品でないと「エンタメ」とは呼びたくないのだなということがわかってきた。たとえば、トップガン・マーヴェリック(阿部登龍さんの言葉を借りれば「方法論ガチガチの、フィクションなんだかフィクションの教科書なんだかわかんないくらいの/作品の向こう側にプロットを検討する会議室が透けて見えるくらいの作品」)くらいにならないとエンタメとは認めていないっぽく、そりゃ自分がエンタメ作品を書こうとするときに苦しくなるわなと思った。初心者がいきなりトップガン・マーヴェリックを目指そうとしたら、そりゃ自分の作品の面白くないところばかり見てしまうに決まっている。エンタメにしようと頑張らないほうがいいのかもしれない。力を入れ過ぎないというか。エンタメではこうするのがお約束とか、大勢の人はこういうところで面白く感じるのだからそうしなきゃとか、そういうことを一旦全部忘れて、作品だけを見なければ。書けたい。

朝食を食べて、あと20分ほどでバスが来る。思いの外長居してしまったが、悪くない投宿だったと思う。あとは帰って、やれることをやるだけだ、と気持ちに。原稿そのものは進まなかったが、それ以前の作業であるプロットや設定の詰め作業は少し進めることができた。また、気持ちが切り替えられたことが一番大きい。

あとはバスと電車と電車に乗って、最寄駅まで帰る。最後まで良い旅になりますように、と願いながら宿をあとにする。