アゴタ・クリストフ『悪童日記』感想
アゴタ・クリストフ『悪童日記』(ハヤカワepi文庫)

読み始め:2023/8/19 読み終わり:2023/8/19
あらすじ・概要戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理——非常な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。
読んだきっかけ
読んでいくぞ、とリストを作って二冊目。
コメント・感想
お、おもしれー。面白い。(書影これじゃなかったんだけどとりあえずAmazonから引っ張ってきた、その絵も読み終わった後で見てみるとまたすごい良かった)。おもしれーしか出てこんなぁ。感想書くの苦手なんよなぁ。最初の疎開でやばそうなばあさんに引き渡されるシーンでは、ああ今から弱い双子が強くなっていく話かなと思いがちだが当然そのようなことはなく、とにかく不気味に、でもなんか「わかる」感じで双子が描かれるので、感情移入のできる/できないの塩梅が素晴らしいなと思った(もともとそんな登場人物に感情移入して読む方ではないけど、そう思った)。やっぱ私は異常者(と一見みえる人物)が自分のなかにその人なりの物差しを持っている様子がとても好きなんだなぁと思う。戦争中というのもあって、たくさん異常が見れてお得。最後の唐突に終わる感じがすごい好きで、だからこそ続編があると知って読むかどうかすごい迷ってしまう。しばらくは読みたくない気持ちかも。あと、映画になっているらしくて、映像で観れるの嬉しいな〜、と思ったので近々観たい。うーん、そして、作中でぼくらが日記を書いていくうえでつくった「縛り」が非常に効いていて、私はそういう文章のほうが好きなのですごい文体が身体に馴染んだなぁと思う。それにしても、本のあらすじってめちゃくちゃだなぁと思う。「人間の醜さや哀しさ」「人間の真実をえぐる圧倒的筆力」「感動の嵐」……なんだかなぁ、そういうむきもあるかもしれないけどそうじゃないんよなぁというのはあり、しかしこれは仕方のないことかもしれませんね(言葉で伝えられるなら言葉にしているので)。
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