親切なお兄さんへ
亡くし屋と人はこう呼ぶただ彼を恩人ならばただバイバイと
その黒は幽寂の黒 致死の黒 やさしいひとのやわらかい黒
凡小が昏がりに乞う(まだいたの)列車はとうに俺を残して
今日限り人は書を捨て町を捨て鯖缶だけが残されました
マナ使用、舵を取らない親切は銀の弾にはなるべくもなく
幻肢痛 井戸に四つ葉が咲いている胸元に挿す半分のチョコ
墓守は二度目の死者と手を握り 今日があなたの誕生日です
信じない目を離さない揺るぎない正しさに靴押し込めるため
その瞳があまりに僕に似てたから袋小路の信仰でした
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