保坂和志『考える練習』感想
保坂和志『考える練習』(大和書房)
![](https://hondana-image.s3.amazonaws.com/book/image/108253/293191a6-a5ab-4563-bdbc-a72d54ed4427.jpg)
https://www.daiwashobo.co.jp/book/b108253.html
読み始め:2023/4/4 読み終わり:2023/4/6
あらすじ・概要無力感から脱しろ――。きまじめで退屈な論理的思考から脱して、自由奔放な発想を取り戻すための思考のレッスン。
読んだきっかけ
図書館で見つけた。
コメント・感想
私の中では荒川修作はほんの2、3年前に死んだ記憶があるのだが、実際は2010年になくなっていたらしい。この本が書かれたのは2013年で、作中に荒川修作の死について言及があり混乱した。荒川修作ってもっと生きていなかったか。私は別の世界からやってきたのだろうか。
保坂和志の本を読むのはこれで数冊目だが、この本は聞き手が存在して実際に対談(といっても9割以上保坂が喋っている)形式で進んでいくので他の本と語り口が違う。もっと世間話に近い。ラジオを聴いているのと同じ感じだろうか、とりあえず読み進めていたら最後まで行っていた、というような。本の外側に何かを持ち出すのが難しく、相変わらず本について何かを言及することに困難を感じるのだが、面白かった。中井久夫の話や、酒井隆史の話がよかった。『通天閣』読んでみたいなと思った。
ちょうど、佐藤亜紀『小説のストラテジー』を読んでいるところで、詩学の話や物語について、ギリシャ神話(アガメムノーン)の話について、そちらでも登場していた。また、小説のカタルシスについての言及もあった。そうしたものを読んでいる途中だったので、この本でも同じような話が、しかし全く別の視点で語られていたシンクロニシティが興味深かった。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません
This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.